活動内容
多様な主体が参画する勉強会『ボラコラボ』
企業の社会貢献活動や地域社会の課題解決のための活動を学び合う場です。
※ボラコラボへのご参加には、みえボランタリーフォーラムへのご登録が必要です。
(登録無料・入退会自由)
直近の活動レポート
ボラコラボ
2026年4月の会(4.23)
事例発表者
大安工業有限会社 専務取締役 日沖将康さん
このレポートでは「大安工業有限会社」といなべ市社会福祉協議会をはじめ多様な主体が連携し、子どもたちや地域住民が地域で安心して楽しく暮らせるための社会貢献活動を紹介します。
登壇企業について
大安工業有限会社(企業所在地:いなべ市)
金属部品などの焼き付け塗装を行っています。取引先が製作した鉄製品を引き取り、社内で塗装を施します。鈴鹿サーキットを実際に走るレーシングカーも手がけています。1980年に現専務の祖父が創業し、1984年に大安工業有限会社を設立しました。
連携先: いなべ市社会福祉協議会、小学校、自治会など
社会課題:子どもたちや地域住民が楽しく安心して暮らせる地域づくり
活動の概要――地域に根差した活動
活動の背景――「子どもを喜ばせたい」という気持ちが出発点
20年以上前、出勤途中に近隣の保育園で、土曜保育の園児が1人で先生と散歩している風景を目にした日沖専務。その寂しそうな表情が忘れられず、子どもたちが楽しめる何かを提供したいと思ったのが出発点でした。その想いが活動へとつながったのは、いなべ市商工会青年部で社会貢献に取り組む先輩方に出会ったことがきっかけです。「保育園や小学校で授業がしたい」と相談すると「飛び込んでいけばいい」という助言をもらい、社会とつながるきっかけとなりました。
連携先とつながるきっかけ
「しばざくら共生プロジェクト」は、いなべ市社会福祉協議会(以下、いなべ市社協)からの働きかけがきっかけですが、それ以前に大安工業の地域での評判がよく、同プロジェクトに関わる住民がいなべ市社協に推薦したのが始まりでした。
いなべ市社協の職員が訪問した際、日沖専務は説明を受けるだけでなく、塗装作業の様子なども丁寧に紹介し、「お互いを知り合うこと」から始めました。いなべ市社協の職員によると、「相手の仕事も知る」という経験がその後の企業への働きかけに役立ち、日沖専務との出会いを機に他の企業にも飛び込んでいけるようになったと語っています。
社内での理解を得るために
社会貢献活動の実施にあたり、社内の理解を得ることは容易ではありませんでした。まず社長(父親)から「何の意味があるのか」と問われ、先輩方からも「仕事で結果を出してからでないと説得力がない」と言われました。年上の従業員が多いなか、日沖専務は誰よりも仕事に取り組み、背中で引っ張ることを意識しました。
それから数年経ち、「人材確保」が企業課題として見えてきました。塗装業はいわゆる3Kと呼ばれ人が集まりにくい職種です。社会貢献を通じて大安工業に関心を持ってもらい、人材確保につなげたいという動機も生まれました。
現在では社内の理解も得られ、従業員が様々な面で率先して協力してくれています。
活動の成果
🔎社内的な視点
社会貢献活動には従業員との丁寧なコミュニケーションが不可欠であり、それを重ねることで関係性が深まり、地域から褒められ頼られる場面が増えることが仕事への誇りにもつながっていると感じています。またここ数年、20代前半の若い世代が続けて入社しています。焼付塗装業界では珍しいことで、高校や大学への求人ではなくすべて紹介によるものです。ひきこもりだった子ややんちゃな子などさまざまなタイプがいますが、「大安工業なら」と紹介してもらえるケースが増えました。
🔎社外的な視点
塗装業はシンナーを使用するため、よいイメージを持たれないことがあります。働く人や仕事内容が見えなければ、地域住民に不信感を与えかねなません。だからこそ、働く人の顔や仕事内容を知ってもらうことで「地域から応援される企業」を目指しました。
その結果、地域側から声をかけてもらう機会が増えました。駄菓子屋の取り組みも、お絵描き体験の見学に来た保護者からの相談が発端でした。
今後の展望
南海トラフ地震や地域の防犯など様々な不安があるなかでも、「何があっても大安工業が何とかする」という想いで活動を続けています。いざという時に「助けて」と言ってもらえる存在でありたいと考えています。
具体的には、トラックを使った子ども向け交通安全教育、地域住民との合同防災訓練、BMX・スケボーパークの制作などに取り組んでいくという夢があります。また、地域のみんなで子どもを育てていきたいという想いもあります。丹生川地区があってこそ仕事ができ、社員の理解と協力があってこそ活動ができます。会社としてできる範囲で、子どもたち・地域住民・関わるすべての人への恩返しを続けていくことを大切にしています。